お知らせ
海外のリサーチ×AIに関する先進事例レポートを公開
セルフ型アンケートツール「Surveroid」を提供する株式会社マーケティングアプリケーションズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:竹中司、以下マーケティングアプリケーションズ)は、株式会社プロダクトフォース(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:浜岡宏樹、以下プロダクトフォース)と共同で、海外のリサーチ×AIの先進事例を調査しました。
先進事例レポートの背景
日々進化し、様々な分野で活用がすすむAIはリサーチ領域においても新たな価値を創造する事例が次々と生まれています。
消費者インサイトの可視化、データ分析の高度化と高速化へのニーズの高まりと足並みを合わせ、AI活用はリサーチサービスに大きな変革をもたらそうとしています。
本レポートでは海外のグローバルプレイヤーのAI活用事例をレポートし、今後、日本国内でも起こりうるリサーチ×AIの未来、またリサーチサービス全体の未来予測に役立てたいと考えています。
AI活用の分類
グローバルプレイヤーの「リサーチ×AIトレンド」を理解するにあたり、以下の3つのカテゴリに分類してその事例をピックアップしました。
・回答パネルのデジタルクローン化
AIで生成された仮想の思考モデルを用いて生身の人間による回答を代替するアプローチ。高い回答精度を持つことができれば時間的にもコスト面でも従来の調査を大きく上回る成果を出すことができる。また従来は回答を得ることが難しかったレアターゲットからの回答を集めることができるようになり、パネル数、回答品質のジレンマから開放される可能性がある。
・リサーチスキルの獲得と拡張
リサーチャーがより高い成果を生み出すためのアシストをAIが行なう、あるいはリサーチャーとしてのスキル・ノウハウ不足を補うためのアシストをするアプローチ。調査設計やデータを洞察・分析する上での示唆を提供するなど強力にサポートする。
・リサーチオペレーションの自動化
従来多くの時間とリソースを割いてきた様々なオペレーションをAIが代替するアプローチ。より迅速に成果な結果を得るための手段。前述の能力拡張とは異なり、効率化を目的とする。
AI活用の事例
・回答パネルのデジタルクローン化
Evidenza
Evidenzaは、生身の人間の回答データを必要とせずに、ブランドのターゲットオーディエンスの詳細な仮想モデルであるシンセティックパーソン(AIにより合成された人工的な回答者)を作成し、これらのパーソンを調査およびインタビューすることで市場インサイトをリアルタイムで生成できるとしています。このアプローチにより、従来の市場調査の遅さ、高コスト、および柔軟性の欠如を克服することができます。
PersonaPanels
シンセティックレスポンダント(AIにより合成された人工的な回答者)を提供するサービス。機械学習を活用して特定の人口セグメントを模倣する仮想ユーザーを作成します。
特定の人口セグメント(例えば、特定の年齢層、地理的地域、職業など)を模倣するように設計されています。これらのレスポンダントは、機械学習技術を使用してインターネット上の情報を収集し、興味を発展させることで、現実の対象グループと同様の行動や嗜好を示すようになります。
世界的な市場調査会社の1つであるKantarでもAI技術を使ったシンセティックサンプル(AIにより合成された人工的な回答)の品質とその有用性を評価することを目的として研究を行い、その一部を公開している。
現在のところ、シンセティックサンプルは完全に人間のパネルを代替するには至っておらず、特定の質問やサブグループ分析において限界があるとしているが、一方で人間のサンプルを補完する形でのシンセティックサンプルの利用が進むと考えており、プロプライエタリデータセットを使用してモデルを微調整することで、より精度の高いシンセティックサンプルの生成を目指すともしている。
・リサーチャーの機能拡張
Maze
Mazeは、ユーザーリサーチとプロダクトテストを支援するプラットフォーム。AI技術を活用してリサーチャーをサポートする様々な機能提供を行っている。
Ask the perfect question
Mazeの「Ask the perfect question」機能は、リサーチャーやプロダクトチームが効果的なアンケート質問を作成し、洞察力のある実用的な回答を得るための支援を提供します。
たとえば「質問の順序と流れ」を精緻化するため、質問を論理的な順序で配置したり、回答バイアスを回避するため、回答者が特定の答えに導かれないように質問を構成し、信頼性が高く偏りのないデータを収集する手助けをしてくれます。
リサーチャーのアンケート設問設計のミスが起きないようアシストをします。
Dynamic follow-up that digs for more insights
Mazeの「Dynamic follow-up that digs for more insights」は、ユーザーの初期の回答に基づいて自動的に追加の質問を生成し、より深い洞察を得ることができる機能です。ユーザーがアンケートやテストに回答する過程で、動的に質問が調整されるため、固定された質問セットよりも柔軟でインタラクティブなフィードバックが得られます。
リアルタイムでユーザーの回答に対応するため、調査の質が向上します。
Dovetail|Magic
Dovetailは、ユーザーリサーチやフィードバックの収集、分析、管理を支援するためのプラットフォームです。「Magic」機能はAI連携によりインタビュー調査の結果に対して、リサーチャーにとって大切なポイントを示唆します。ビデオ通話の正確で即時のタイムスタンプ付き要約、回答者との通話を最高の瞬間とハイライトに短縮、ビデオ通話の重要な瞬間を自動的に提案トピックで検索し、質問して、要約するなどリサーチャーの解釈を手助けします。
・リサーチオペレーションの自動化
ATLAS.ti
ATLAS.tiは定性データ分析のためのツールです。AIを活用してデータのコーディングやテーマの抽出を自動化します。テキスト、音声、画像、動画など様々なデータを分析し、迅速に洞察を得ることができ、リサーチャーの業務を大幅に削減します。
SurveySparrow
リアルタイムで収集されたアンケート回答データを自動的に分析します。データのトレンドやパターンを瞬時に可視化するため、リサーチャーの手作業を削減することができます。また自動的に詳細なレポートを生成します。レポートには、グラフやチャートを使った視覚的なデータ表示が含まれ、レポート作成作業からリサーチャーを開放します。カスタマイズ可能なレポートテンプレートも提供されており、特定のニーズに合わせてレポートを調整することができます。
まとめ
リサーチ×AIはすでに多くの企業が取り組み、変革が急速に進んでいる領域です。すでに実験的な段階を超え、サービス提供されているものも多く、今後国内でも拡大していくと考えられます。商用利用が開始されている事例は多くありませんが、既存のリサーチ会社に限らず、スタートアップ企業の参入もあり、今後トライアンドエラーを経て革新的なサービスが誕生する可能性があります。
一般社団法人 日本マーケティングリサーチ協会の「第49回経営業務実態調査」でも国内マーケティング・リサーチ会社の経営上の問題点として「求人難」「調査員不足」「人件費高等」「残業問題・働き方改革」など人的リソースの問題が多く挙げられています。
人員不足が喫緊の課題としてあげられる中、AIはリサーチャーの良きパートナーとして人的リソース問題を解決するためのサポートをしてくれるはずです。
また一方で今までリサーチに対して積極的に取り組むことが難しかった中小事業会社に対してもトライしやすい環境が整えられ、リサーチの裾野が広がると思われます。
会社・サービス概要
■株式会社マーケティングアプリケーションズ
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27-5リンクスクエア新宿 16階
代表取締役:竹中 司
設立:2022年5月26日
資本金:1億円
事業内容:マーケティングリサーチプラットフォーム,データマネジメントツール/ソフトウェア,システムソリューション
URL:https://mkt-apps.com/
■Surveroidについて
Surveoridは直感的な操作性で国内外の消費者パネルへアンケート調査を実施できるセルフ型リサーチツールです。アンケート作成機能、国内約500万人の消費者パネルへの配信に加え、海外24カ国の消費者パネルへの配信、データ集計ツールが揃うSurveroidは、会員登録をしたその日からご自身でマーケティングリサーチを行っていただけます。
サービスページ:https://surveroid.jp/
■株式会社プロダクトフォース
所在地 :東京都渋谷区
代表者 :代表取締役CEO 浜岡宏樹
設立 :2023年1月
事業内容:ユーザーインタビュープラットフォーム『ユニーリサーチ』の開発・運営
URL:https://productforce.co.jp/
サービスページ:https://unii-research.com/business/
■本件に関する問い合わせ先
株式会社マーケティングアプリケーションズ
コーポレートコミュニケーションチーム
MAIL: info@mkt-apps.com